SUIIDE by Japan Sense

100匹の猫の浮世絵。この猫を使った様々なデザインアイテム。
Ukiyo-e of 100 cats. Various design items using this cat.

ジャンルを追加した理由。そもそもなんで浮世絵?

2019年2月頃から描き始めたのは歌川虎芳の描いた浮世絵「江戸の花子供遊び」という画集を元に、江戸の町火消しの姿を描いたものです。纏と火消し職人が表情豊かに描かれた有名な浮世絵でした。初期はクライアントのオーダーで、様々な浮世絵に描かれたキャラクター達を、アニメーション化するために現代のデジタルデータとしてトレース&リデザインすることが最大の目的でした。
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有名な浮世絵をデジタルデータにすることを依頼されたことがきっかけ

今までも江戸の花子供遊びの前には、白浪五人男、風神雷神、南総里見八犬伝、相撲絵、踊る猫又、東海道五十三次の相模湾沖の図(あの有名な波の絵です)、英雄六家撰(恩知左近萬、新田義貞、馬場信房、楠正行の4武将)歌舞伎など有名どころの浮世絵をデータ化してきておりましたが、町火消し64人分を全てデータにすることも自発的に行ってきた訳ではなくあくまでもクライアントからの依頼でした。風神・雷神
英雄六家撰の一部

南総里見八犬伝の八剣士

力士の浮世絵

国芳のネコ

歌舞伎
仕事でいろいろ描いてきましたが、これらのデータは果たして生かされているのかは不明です。この頃から個人的にはやっぱり国芳の猫が一番好きだと思っています。特に踊る猫又と鼠よけの猫が一番。
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新型コロナウィルスの感染拡大で大きく目的が大きく変わる

2020年3月以降、新型コロナウィルス感染拡大によって、江戸の花子供遊びをデータ化する目的は大きく変化しました。江戸の火消し職人が火事場で使う纏は、当時の火消し方法のメインであった「破壊消火」を先導するもので、風向きや建物の建つ位置、ほかの家屋への延焼を防ぐための破壊方向を職人達に指示するものでした。纏は火を消すための道しるべでもありました。この意味から、コロナを払う、感染の流行を終焉させるという意味もあると、全64種の一部をデータ化する目的から、64種全てをデータ化し、マスクや手ぬぐい、その他の商品開発に使う元データとして揃えるようにとの依頼の元で自分が作業を請け負うことになりました。

纏(まとい)だけを描く素敵さ

纏のデータを作成するプロセス面倒な条件としては、浮世絵に一緒に描かれている火消し職人を消し、纏だけをデータにするという内容で、自身の持てる技量の全てを駆使して、人を消し、一本一本丁寧に心を込めて全64本の纏を描ききりました。動きのある浮世絵なので、纏の全貌を描き切れていない部分などもあり結果的に纏を徹底的に調べることにもなりましたが、全体を見るとクオリティが揃っているし、纏だけが並んでいる図は予想外に面白いものだとも感じました。同時にこのデータを使える立場にある、クライアントにとっても価値あるものになることは自分にも簡単に理解できました。(下方の画像をご参照ください。並べているだけでも面白いと思っています。)
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思ったよりずっと長引いた新型コロナウィルスの感染拡大

当初の目的は、このデータを使って海外から日本に観光に訪れる外国人向けの要するに「インバウンド」狙いの商品向けに展開することを目的としていたものでした。新型コロナウィルスの感染拡大の初期に多くの事業家達が予測を口にしていた「2020年7月にはコロナは収束する」は見事に外れ、2022年に至る今でも新型コロナウィルスの感染拡大は収まってはいません。
自分が仕事で作成するデータの著作権は、契約書のルールに従って、期間中作成したデータの著作権は全てクライアントのものであるという約束です。ですが、それは契約通りに作業費用をいただけた場合に限られます。契約書がない場合の著作権は自然と描いた本人のものであることはハワイアンキルトを製作される方ならみなさんご存じのことと思います。

宙に浮いてしまったデータ

江戸の花子供遊び纏の図

新型コロナウィルスの感染拡大は、様々な企業にきっと大きな影響を及ぼしたのだと思います。依頼元のクライアントはこれら作業の対価を支払うことができなくなりました。それは仕方ありません。そこでクライアントと話をし、データの著作権も使用権も譲ることしないで、データと権利を全て返してもらいただくことで解決しました。さあ、大変です。この64種の纏のデータは確実に使われることもなく宙に浮いてしまったのです。
国立国会図書館で内容を閲覧できる浮世絵は、描いた人が亡くなって50年以上経過していることがきちんと調べられた結果に公開されておりますので、著作権フリーになっているものとされています。この決まりに従って元の浮世絵をそのまま使ってTシャツや小物、布等にして商品にしているものはたくさんありますが、纏だけを描き出すなどという馬鹿げたことをやっている人はそれほど多くはありません。ましてや全64種を徹底的にデータにしたものなど自分は見たことはありません。ですがこうして並べて見るだけでもとても面白くて美しいと感じ、日本の、東京の文化のひとつとして依頼元が目論んだ以上の魅力があると感じています。

自身で商品化することに初チャレンジ!

わたくしにとってこの纏はもちろん、どんなデータであっても心を込めて作成し、自分でも素晴らしいと思って仕事してきました。なのでデータがわたくしの元に戻ってきましたこの初めての状況は、嫁に出したはずの娘が戻ってきたような気持ちでした。さらに嬉しいことに、これを使って自由に商品をデザインしたり企画したりできるようになったのです。
ハワイアンキルトのパターンを多数描き、日本ハワイアンキルト製作所のサイトで売っているパターンに加えて、さらにわたくし自身のツールが増えたことになります。

百猫画譜を加える

纏のデザインは、外国人の方や男性の方に受け入れられやすいのは確かですが、これに加えて愛らしくキャラクターとして使える素材を探しておりました。最初に思い浮かんだのは鳥獣人物戯画(平安時代後期に覚猷(かくゆう)鳥羽僧正著・日本最初の漫画と言われている)でしたが、わたくし自身や家族、時代的にもネコで何かないの?以前歌川国芳の描いた「踊る猫又」はどう?あれは可愛くないよね。と国立国会図書館の資料を調べた中で発見したのが「百猫画譜(ひゃくみょうがふ)」でした。三代目歌川広重が描いたネコを含めて100匹ほどのネコの姿が愛らしく描かれています。原画をそのままTシャツにしたり、小物にしたりしているものも多く見られます。ですが、昔の和ネコなので、現在のネコと少しプロポーションが違いますから全てトレース&リデザインしてオリジナルデータとして描き起こしました。全てが広重によるものではありませんし、この本自体も、複数の画家と複数の作家の記事を集めた少し毛色の違った画集(雑誌?)ですが集まるとまた楽しく大変かわいらしいグループとしてまとまりました。

過去から持つテキスタイル用データ

2003年から今までの期間、ハワイアン業界の様々な仕事を手がけています。イベントやコンサートの宣伝、チケット、プログラム用のデザインアイテムとして、イベントのテーマに合わせて多くのハワイアンプラントを描き、その流れでフラ(ダンス)用の生地(テキスタイル)を300種類以上描いてきました。これに関しても著作権に関しては、著作権に関する契約は一切結んではおりませんので、全てが自分の商材としてデータは全て自身のの手元にあります。
フラの衣装は通常ハワイアンファブリックを輸入し、ドレスショップの提供する型に合わせて縫製するというのが普通でしたが、コンサートやコンペの会場で、別々のグループが同じ柄でバッティングしてしまうことがあるためオリジナルテキスタイルのニーズがここ最近ありました。ですがこのフラのイベントも新型コロナウィルスの感染拡大によって延期や中止に見舞われ、ここでの仕事のニーズは全て姿を消しました。手元にあるデータを使う機会もなくなり露出もほとんどできなくなりました。これも立派なデザインなのとハワイアンキルトのパターンをデザインする際にも活用してきましたのでこれらも以降はサイトの武器として活用することを心に決めました。テキスタイルデータは現在も少しづつ増やしています。

2021年7月からスタートした商品化

最初に考えたのはもちろん時代的にマスクです。ですが、マスクは最近衛生基準が厳しく、各メーカーも機能性マスクをたくさん販売しています。見た目重視の自分の商品開発では到底太刀打ちできません。結果、普通の綿のマスクは今はオシャレマスク、ファッションマスクに分類されてしまいます。自分がいくつか作ったマスクもこのジャンルの商品としてminneでも販売しています。
その次は、纏の布を作り、バッグや小物、小物などを作りました。これもラインナップに加えています。


帆布と裏地用に綿の薄手をそれぞれ1ロット作りました。なので素材を含めた超オリジナルです。巷では絶対に入手できない材料です。
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最もハマったのはスマホケース

バッグや小物は誰でも思い浮かぶものですが、自身が最もハマったアイテムはスマホケースです。そしてそのブームは今も続いています。その理由はまず第1にほとんどの人がスマホを大切にしていて、ほぼ全員がケースに入れて使っている(と思われる)こと。第2にスマホケースは衛生商品ではなく、マスクのような厳しい基準がないこと。第3に、自分の持っているデータが多様性のあるこの「スマートフォンケース」のデザインバリエーションの作りやすさに対応できること。スマホケースは唯一無二のニーズがそれなりにあること。特にiPhone率が高い日本ではその傾向に拍車がかかりやすいこと。第4に自分がデザインをしていてとても楽しく感じられること。なのでこのサイトに新しい商品ジャンルを追加する際にも一番最初にスマホケースをセレクトし公開しました。
それに加えてにminneにエントリーして「レジン」を知ったこともとても大きいと思います。スマホケース
サイトでご紹介しております3WAYスマホケースは、値段をなるべく安く、いろんな使い方や見せ方ができ、個性的で美しいものとしてハワイアンキルトそっちのけで様々な場面で試行錯誤した結果の自信作です。自分の今までのワークの流れの中で、江戸、浮世絵、ハワイ、ハワイアンキルトそして日本らしさを表現することについて楽しく可愛くそれでも美しい。多様性があってエピソードもたくさん語れるスマホケース。たかがスマホケースされどスマホケースです。
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加えて缶バッチ

以前よりずっとずっとずっと商品化したい思っていたのは缶バッチです。とにかくずっと前から大好きでした。ハワイアンキルトのパターンを缶バッチにする日が近く来るかもしれませんが、まとまったクオリティで数があるアイテムは今までありませんでしたが、纏と浮世絵ネコという2種のラインナップを持ったことで缶バッチへ展開してみました。


纏の缶バッチ(全64種)
浮世絵ネコの缶バッチ(100種から83種をセレクト)
やっぱりこれも最高で、安い値段でコレクションできる楽しみもあります。自在にアレンジしてデザインでき、気軽にギフトとしても使っていただけるかも。なによりも集まって存在するだけでワクワクします。
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SUIIDEとJapan Sense

Japan Senseは纏やネコを別のブランドで販売することを考えたグループ分けのひとつです。SUIIDEはジャパンぽいものじゃないアイテムがこの先出てきたときのための総称のようなもので、大分類のような意味合いです。今回掲載した商品は、ちょっと中性的な性格のアイテムでハワイ寄り。というイメージなので、まずは日本ハワイアンキルト製作所に間借りさせてもらう感じです。
これらの商品の一部はminneでも販売中です。このサイトでは手数料を支払う必要がありませんので、minneよりプライスを下げています。minnneでは完全に埋もれてしまっておりますし。以後もアイテムをどんどん増やして参ります。ハワイアンキルトのパターンと同様どうぞよろしくお願い申し上げます。
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